「主食」よ、さようなら。
市立宇和島病院 名誉院長 近藤俊文  
 日本人には「主食」がある(正確には、あった)。白米だ。それにお漬けものや梅干、そしてお味噌汁の三点セット。正直な話、お茶漬けさらさらはこたえられない、うまい。なにせ弥生時代からのライフスタイルなのだ。遺伝子のなかに入りこんでいる。ところが日本列島弧二千年の歴史で、はからざりし、われわれがこんなに豊かになって、かくも長生きしようとは。メタボリック症候群とやらで中高年男性の半分はアウト。二千万人にちかい人が糖尿病とその予備軍。
 ボクも医者の端くれ。豊葦原やまい島根の患者さんに、口癖のようにいってきた、「腹八分じゃありませんよ。四分かせいぜい五分ですよ。ご飯・めん類・ケーキ・スナックを食べ過ぎないようにね」と。
 釜池療法はこれを徹底させたものじゃないかと思われる。人は、なぜ太るのか。食べるから。なぜ食べるのか。ハラがへるから。なぜハラがへるのか。血糖値がさがるから。なぜ血糖値がさがるのか。インスリンが出るから。なぜインスリンが出るのか。血糖値が上がるから。何故血糖値が上がるのか。糖質(白米・パン、もちろんお菓子類も)を食べるから。いわゆるカウチポテトはこの悪循環をくりかえしている。「じゃ、五穀を断ちなさい」と、ずばりいうのが釜池先生の流儀である。
 たしかに、人間は穀類・糖質をまったくとらなくても大丈夫なはずだ。必須アミノ酸というのはあるが、必須糖質は生化学でもならわなかったのだから。
 たしかに、釜池療法をおこなえば、型糖尿病の高血糖はドラマティックにさがるだろう。釜池先生の経験によると、肥満・高血糖だけでなく、高血圧・高脂血症も改善されるという。
 釜池先生はなが年の運動実践と理論探求から、食物代謝医療の試行錯誤をかさねて、釜池理論に到達した。たしかに、傾聴にあたいする説である。さらなる、エビデンスの蓄積をたのしみにしている。

「かまいけ式食事術」推薦文
財団法人高雄病院理事長 江部康二  
 私の勤務する高雄病院では既に500人以上の糖尿病患者さんに「糖質制限食」を実施し著明な効果をあげています。1999年、私の兄現高雄病院院長江部洋一郎が宇和島市で漢方の講演をした時、同級生の釜池豊秋先生とお話ししたことがきっかけでした。常識を覆す釜池理論ですが、即日に血糖値が改善するのを確認し目から鱗が落ちる思いでした。
 その後は高雄病院で二年間かけて生理学的検証を徹底的に行い、糖質制限食理論の正しいことを確信しました。糖尿病や代謝症候群は<糖質を制限し脂肪やタンパク質はOK>という糖質制限食で確実に改善します。これはカロリー制限優先の日本糖尿病学会の糖尿病食(高糖質低脂肪食)とは根底から異なるものです。残念ながら現行の高糖質低脂肪食では糖尿病も代謝症候群も改善しません。
 日本だけでなく欧米でも戦後ずっと肥満や糖尿病の原因として脂肪が目の敵にされてきました。特に1990年代は低脂肪食ダイエットが全盛でした。しかし脂肪摂取量が減っても現実には肥満は一向に減らなかったため、近年米国では低糖質食が注目されています。
 「かまいけ式食事術」が普及していけば日本人の健康度は高まり、糖尿病や高脂血症の薬の大部分が要らなくなり医療費削減効果は多大なものがあります。最後に糖質制限食の良き先達釜池豊秋先生に感謝すると共に、「かまいけ式食事術」の発展を心より願っています。